『駄目』は効果的?
子どもの命に関わるような危険な場面で、とっさに「駄目!」と大声で叫び、無事に難を逃れることもあるでしょう。
しかし、毎日の生活の中でお母さんは子どもの困った行動を制止したり、禁止したりするために「駄目!」「駄目!」を連発しますがなかなか効果的ではありません。
子どもは「見たい」「触りたい」「使ってみたい」と好奇心いっぱいです。「ダメ!」という否定的な言葉は嫌いです。それを繰り返し言われるとすっかり「やる気」を失い、お母さんの言葉に耳を傾けるどころか「叩いたり」「叫んだり」「物を投げたり」「噛みついたり」と逆に反発になってしまいます。
お母さんは子どもに「やっていいこと」と「やってはいけないこと」の区別をしっかり教えたいのに「駄目」の一言では何も伝わりません。もっと多くの言葉を使い、分かりやすく話をする必要があります。
例えば、子どもがテーブルに乗ろうとした時、「テーブルは乗るところかな?」と解っているかどうか、確認の声かけをします。一瞬、行動が止まったら「テーブルはご飯を食べる所で乗る所ではないよ」とテーブルの正しい使い方を教えます。話がわかったようであれば「降りてね」と次の行動を伝えます。降りることが出来たら、話がわかったことを誉めます。
言葉がわからないようであれば「駄目」を使う前に、危ない物や場所には近づかせないこと。家の中では子どもの目線で考え、薬、タバコ、洗剤、細かいオモチャ等、誤飲する可能性がある物は子どもの手の届かない場所に置き、見せないこと。万が一、誤って子どもが手に持ったり、触ろうとした時には「手を離しなさい!」「さわらないでね」「下に置いて」と的確に指示します。
家の外では公共の観点から、道路やお店で走り出した時には「止まりなさい」「ゆっくり!」「歩いて」「ぶつからないように」と、次に何をしたら良いのかを具体的に伝えることが効果的です。
「駄目」の一言で子どもの行動は変わりません。同じことを繰り返すだけです。
子どもが興味を持っている時にこそ正しい使い方や正しい行動を教えてください。
子どもは教えた分だけ素直に吸収します。
教えた分だけ「駄目」の言葉数は減ります