自分で選ぶ

子育ての目標は子どもを自立した大人に育てることです。

子どもは毎日の生活の中で様々な事を習得し、いろいろな体験を積み重ね、日々、刻々、自立するための準備をしています。
親はそのことを常に意識し、社会で生活していくために必要な事を必要な時期に育てていかなければなりません。

幼い頃から自分で選ぶ経験をしてきた子どもには責任を取る能力が育ちます。
とは言え、「2才の子どもには無理よね~」と考えているお母さん、2才からでも育ちます。

例えば、子どもが「何かのみた-い」と言ってきた時、お母さんは「リンゴジュースとオレンジジュースがあるけど、どっちにする?」と問い返します。子どもは少し迷いながら「リンゴジュースにする」と答えます。リンゴジュースをコップに半分位注ぎ入れ手渡します。子どもは一口飲んで「やっぱりオレンジジュースがいい!」と再び要求してきます。その時、お母さんは「困ったな~」「しょうがないな~」と子どもの言うなりにオレンジジュースを与えてしまったら責任感を育てるチャンスを逃してしまいます。
ひと呼吸おいて、「〇〇ちゃんはリンゴジュースを選んだのよね。残さず飲んでね」と自分で選んだことを思い出させ、言った事を最後までやり通すように促します。
子どもが自分で選んだことを思いだし、駄々こねせずに全部飲みきったとしたら、それなりの責任を感じたということです。これは凄いことなので誉めてあげましょう。「自分で選んだリンゴジュース、ちゃんと最後まで飲んで偉かったね~」と。

このように小さな事でも日頃から自分で選んだことを意識させることで自然に責任感が育っていきます。何も制限の無いところから選ばせることは難しいので二者択一に限定してあげると簡単です。例えば、「これとこれ、どっちの絵本を読む?」とか「電車とブロック、どっちで遊ぶ?」等々。
親は子どもの年齢や能力に応じて選ばせる範囲と内容を絶えず吟味し、徐々に広げていくことが大切です。

最後までリンゴジュースを飲むことを選んで、誉めて貰う結果に繋がったとしたら子どもはこれからもこの良い選択をします。反対に最後までリンゴジュースを飲みきらず、お母さんに叱られる悪い結果になったとしたら次はその選択をしません。

どんな些細な出来事でも自分で選んだ事からは多くの事を学びます。そして小さな責任も積み重なっていきます。この経験が多ければ多いほど、将来、責任ある選択が出来る大人に成長していきます。

やがて、子どもはほとんどの事を自分で決められるようになります。その時、親はその相談相手になる存在が理想です。

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