守れる約束
「お菓子はこれでお仕舞い。約束よ」
「宿題は直ぐやると約束したでしょ」
「脱いだ靴下は洗濯機に入れる約束、忘れた?」
「帰宅時間は6時の約束です」などなど。
お母さんは子どもの年齢に応じて次から次へ都合よく約束事を作っていきます。
それに対して子どもは軽い気持ちで「わかった」とその場しのぎの返事をします。
お母さんはその一言を聞いて「約束ができた。これで守ってくれる」と勝手に安心し、期待します。
しかし、子どもは「必ず守る」というほどの強い意思は持っていません。
お母さんの考えは「わかった」程度のものでしょう。
期待で膨らんでしまったお母さんは子どもがうっかり忘れたことでも許せなくなってしまいます。
そして、「約束が守れない子!」と決めつけ、自尊心を傷つけるような言葉を投げかけます。
約束事を作れば作るほど、守れない時の親の否定的な言葉は増えていきます。
その度ごとに守ろうとする子どもの気持ちは萎えていきます。
これは約束をする事の悪循環です。
どうしても守って欲しい事があるなら、親はどんな些細な事でも子どもと話し合い「これなら守れる」と子どもが納得した事だけを約束にしなければなりません。
そして、それを守ることが出来たら心から誉めてあげることです。
約束を守ったことで誉めて貰える経験が多ければ多いほど守ろうとする意思が強くなります。
たった一つの「守れる約束」が大事なのです。
お父さんとお母さんは結婚式で読み上げた約束を今でも守っていますか?