思春期の会話
子どもが思春期に入ると多くの親は「この時期、子どもとの会話が難しい」「何を考えているのかわからない」と悩みます。子どもから「嫌われたくない」という思いが無意識に働くのでしょうか?そうなると伝えたい事も素直に言えなくなってしまいます。
例えば、長い夏休みを有意義に過ごして欲しいと望んでいる母の例を考えてみましょう。
母は学校から帰ってきてゲームをしている子どもに「夏休みはどうするの?」と話しかけます。
すると子どもは「別に」と言いながらゲームをやり続けます。
それを聞いた母は咄嗟に「夏休みなんだからやるべき事あるでしょ」と誘導的な問いかけをします。
子どもは「無い」と返事。
母は自分の思いが裏切られガッカリしてしまい、何も伝えることが出来ません。子どもには理解もされず、わからないまま中途半端で会話は途切れてしまいます。
このような状況が続いたら確かに子どもの考えはわからなくなります。
そうしないためには先ず、自分の願い事を明確にすることです。
①家のお手伝い
②宿題
③読書
④筋トレ
⑤友達と遊ぶ
⑥犬の散歩
その上で、優先順序をつけて「これをして欲しい」と素直に伝えることが大事です。
そうすれば母の願い事は伝わります。
それを聞いてやるかやらないかは子どもが考えることです。その子どもの対応を母も素直に受け止めることです。
ここまではお互いの思いを伝え合う第1段階の会話です。
次に具体的な内容について話し合う第2段階の会話です。
母「一緒にお皿を洗って欲しい」
子「今は出来ない」
母「いつなら出来る?」
子「夕食のあとなら」
母「わかった。じゃ夏休みの間、一緒に洗える?やってくれたら嬉しいな。お願いします」
子「いいよ」
このようにお互いの気持ちをひと言一言丁寧に確認し、段階的に話を続けていけば自ずとわかり合える関係になれます。
思春期は「難しい」とか「わからない」とか勝手に決めつけず、素直に向き合うことです。そして、焦らずに段階的な会話を心がけることで理解しやすくなります。

