思春期(10歳~)の会話

思春期は様々な人の考えや行動に影響を受けながら「人として何が必要なのか」と、基本的な事を考えていく大事な時期です。
何気ない親子の日常会話がその「考える」きっかけになるのです。

例えば、息子から「塾に着て行く服が欲しい」と言われ一緒に買い物に行く場面を想定してみます。

その1、
母「これは色も優しいし、自然素材だから肌にもいいと思う。これにしなさい」
息子「えぇ?ボク、もう少し違うのがいい!」
母「塾は勉強する所だから地味な方がいいのよ」
息子「・・・」

これは親の価値観を一方的に押し付けてしまう会話です。そのため息子は自分の考えを吟味することなく不満だけを残します。自分の考えを無視されることで自信が持てなくなり話し合う必要性を感じなくなってしまいます。

その2、
母「いろいろあるけど、どの服が欲しいの?」
息子「これ!」
母「えっ、ちょっと派手かな?」
息子「大丈夫。みんな着てるから」
母「う~ん・・そうなの?仕方ないわねぇ」

これは親が自分の考えをしっかり伝えないため、簡単に息子の思いどおりになってしまう会話です。親が何も言わなければ、自分の考えが全て正しいと勘違いし、他人の意見を聞くことなく自己中心的になってしまいます。

どちらも極端で一方的な会話です。

思春期に入ると子どもは他人の目が気になりはじめ、自分を良く見せたいと思う気持ちになります。親はそんな気持ちを理解し、焦らず子どもが落ち着いて考えられるよう、順序立てて話をしなければなりません。

その3、
母「塾に着て行く服はシンプルな物がいいわね」
息子「なんで?」
母「塾は勉強しに行く所だから流行りの物はちょっと合わないでしょ」」
息子「そんなことない。みんな着てるよ!」
母「そうなの。でも格好いい服着てたら気持ちがウキウキして勉強に集中しないと思うよ」
息子「大丈夫だよ!勉強は出来るから」
母「そぅか~。でも、あなたにはその場に合った洋服を考えて欲しいな」
息子「ふ~ん?」
母「そういう格好いい服は友達と遊びに行く時に着ていったらどう?」
息子「えっ!? そおっか・・・そうだね」

子どもは親の考えに疑問を持ったり、それを否定したり、肯定したりしながら自分の考えをまとめていきます。
大切なのはお互いが納得のいくまで話し合うことです。
納得のいく会話を重ねることで子どもは物事の善し悪しを判断し、大切なことを見つけ出していきます。

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