『正しく競争する』
子どもは純粋に自分の興味のある事だけに一生懸命頑張ります。それを見ている大人が何を誉めてくれるかで正しい競争を学んでいきます。
ひとりっ子の場合、競争相手がいないので家の中ではいつも一番です。
しかし、弟や妹が産まれたり、保育園や幼稚園に通うようになり、同年代の子どもたちと関わりを持つようになるといつも一番だった環境は一変します。
本人の頑張る気持ちには何ら変りないのですが親の観る視点がこれまでとは違ってきます。
当たり前に誉められていた事でも比較する対象が現れてくると今までどうりには誉めてくれません。
お父さんもお母さんも人より早いこと、人より上手に出来ることを良しとしてそれを望むからです。
最初の競争相手は兄弟、姉妹です。それは親が良かれと思ってかけた言葉や誉めるつもりでかけた言葉が競争心を芽生えさせるからです。
例えば、「どっちが早くできるかな~」とか「お兄ちゃんは上手だね」とか「ほら、ほら負けちゃうよ」等々。
お互いの年齢や能力に配慮せず、単に競争をあおるだけの声かけだったり、結果だけを見て誉めるようなことを繰り返してしまうと子どもは次第に相手に勝つことだけを意識するようになってきます。これは人を押し退けてでも自分が優位に立ちたいという誤った競争心を学びかねません。
特に兄弟や姉妹の場合、フェアな競争が出来るよう時間や数でハンディをつけてあげたり、相手と比較しないよう「〇〇ちゃんはすごいね~」などのような言葉かけをする必要があります。
競争心は何事も前に進めるための起爆剤になり得る大事なものです。だからこそ正しい競争心を育てなければなりません。
フェアな競争心は子ども一人ひとりの良さを意識し、各々が頑張った事だけを素直に誉めてあげることで育っていきます。相手に関係なく自分が頑張った事だけを気持ち良く誉めて貰えていたら、子どもはもっと上手に、もっと早くできるよう努力します。自分の中で自分との競争をはじめます。
正しい競争は親の誉め言葉から始まります。